公益財団法人茨城県消防協会は、郷土愛護の消防精神に支えられた消防防災力の充実強化を通じて、県民の生命、身体及び財産を火災等から保護するとともに、各種災害による被害を軽減するために、消防団等の消防施設の充実強化の支援、消防防災技術の向上、地域連携の強化、消防団員・職員の士気の高揚、消防防災思想の普及広報活動等を行うことにより、地域社会の健全な発展に資することを目的とする。
当協会の目的を達成し、計画的な運営を進めるため、中長期運営計画を定める。
令和5年度から令和9年度までの5年間とする。
(1)消防団員の消防防災技術の向上及び消防団等の組織の強化
消防協会は、消防ポンプ操法競技大会を通じて、消防団員の技術向上を図っている。
また、消防団長研修会や女性消防団員活性化大会の開催、及び各支部で行う女性消防団員の活動状況の情報交流会への助成等を行うことにより組織の強化を図っている。
しかしながら、消防団員数は平成30年度から令和4年度までの5年間で1,974人(22,967人→20,993人)(8.6%)減少するなど、地域消防力の低下が懸念されている。
(2)消防団員・職員の士気の高揚
消防団員・職員の功労者や退職者には、消防協会長表彰等を行い、叙勲・褒章受章者に対しては、祝賀会を開催し士気の高揚を図っている。
また、消防殉職者に対しては、慰霊祭を開催し敬意を払いその遺徳を偲ぶとともに、災害活動時の安全確保の意識啓発を行うことにより再発防止を図っている。
なお、消防団員においては、年額報酬等の直接支給や装備の充実強化などの処遇改善を図ることによって、更なる士気の高揚や団員確保に繋げていく必要がある。
(3)地域連携の強化及び消防防災思想の普及広報活動
地域交流活動や各支部の行事等が行われることにより地域間の綿密な連携が図られるため、その事業に要する経費の一部を助成している。
また、機関紙の発行や防火ポスターの配布、ホームページでの情報提供、更には新聞等を活用した消防防災思想の普及啓発活動を行っている。
東日本大震災などの大規模災害では、消防団員の活躍が注目されたが、県民に広く周知するためには、消防団活動の更なるPRが必要である。
(4)県による経営評価
県では、「県の出資法人等への関わり方に関する基本的事項を定める条例」に基づき、県所管の出資法人に対し経営評価や指導監督を行っている。
当協会に関する令和4年度の経営評価結果において、「コロナ禍における事業実施方法を検討するとともに、事業の効率化により更なる経費削減に取り組むなど、経営改善に努められたい。」や「消防団は、地域における消防防災体制の中核的存在として、地域住民の安全・安心確保のため大きな役割を果たしていることから、県や市町村等との連携により、女性を含めた消防団員の確保に、より一層貢献されたい。」との総合的所見等が示されたことから、これらの課題に対応していく必要がある。
なお、令和5年度以降の経営評価においても課題等が指摘された場合は、速やかに対応する必要がある。
(1)消防団等の組織の強化
「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」により、消防団は、地域における防災の中核をなすものであり、消防団の更なる充実強化を図ることは、地域の連帯意識を高め、一貫した防災対策を推進するうえで必要不可欠である。
このため、減少傾向にある消防団員数に歯止めをかけられるよう、県と連携し、市町村に対して団員の処遇改善や、女性を含む基本団員の入団に向けた働きかけを行っていくほか、特定の活動・役割のみに参加する機能別消防団員制度の導入促進を支援することなどにより、消防団員の確保及び組織の強化に努めていく。
〈機能別消防団員制度導入計画〉各年度4月1日時点
年度 | R4 |
R5 |
R6 |
R7 |
R8 |
R9 |
---|---|---|---|---|---|---|
導入市町村数 | 18 | 27 | 36 | 44 | 44 | 44 |
また、消防団員を確保するためには、企業や事業所の理解と協力が必要であるため、消防団活動に協力してくれる事業所を認定する「消防団協力事業所表示制度」の活用を引き続き推進していく。
(2)消防団員の士気の高揚
地域に根差し、郷土愛護の精神を持つ消防団員・消防職員の益々の士気の高揚を図るため、各種表彰制度をより充実していくとともに、全国消防操法大会や全国女性消防団員活性化大会への参加を促していく。なお、福利厚生の一環として健康増進器具等を引き続き配布していく。
(3)消防防災思想の普及広報活動
機関紙「茨城消防」の内容をより充実したものにするほか、当協会のホームページの活用や新聞ラジオ等の広報を通じて広く県民に情報を伝えていく。
また、日本消防協会の機関紙「日本消防」へ本県消防関係の記事を掲載し、情報提供に努めていく。
(4)事業の効率化と更なる経費削減
県、市町村等と連携し、コロナ禍における事業実施方法について検討するとともに、事業の効率化により更なる経費の削減に取り組んでいく。
また、令和5年度以降の経営評価においても課題等が指摘された場合は、速やかに対応していく。
今後4年間(令和6年度~令和9年度)の財務計画は以下のとおりである。
(千円)
科目 | 令和6年度計画 | 令和7年度計画 | 令和8年度計画 | 令和9年度計画 |
---|---|---|---|---|
経常収益(A) | 46,008 | 47,362 | 47,362 | 47,362 |
基本財産運用益 | 4,129 | 4,129 | 4,129 | 4,129 |
特定資産運用益 | 1 | 1 | 1 | 1 |
事業収益 | 10,166 | 10,166 | 10,166 | 10,166 |
補助金等収益 | 18,767 | 18,767 | 18,767 | 18,767 |
負担金収益 | 6,143 | 6,143 | 6,143 | 6,143 |
雑収益 | 306 | 304 | 304 | 304 |
繰越金 | 6,496 | 7,852 | 7,852 | 7,852 |
経常費用(B) | 46,008 | 47,362 | 47,362 | 47,362 |
公益事業費 | 38,169 | 39,525※ | 39,525※ | 39,525※ |
共益事業費 | 2,558 | 2,558 | 2,558 | 2,558 |
管理・運営費 | 5,278 | 5,278 | 5,278 | 5,278 |
減価償却 | 3 | 1 | 1 | 1 |
一般正味財産増減額 (A)-(B) |
0 | 0 | 0 | 0 |
※全国女性消防団員活性化大会(関東以外)に参加するため増額。